空き家を賢く活用する8つの知恵!
全国で問題になっている、空き家問題。その有効な活用方法と、目からうろこの8つの知恵をご紹介します。
空き家が増えてしまった要因として、一番先に出てくるのが、少子高齢化の問題ですが、実はこれ、今に始まった問題ではありません。
今から遡る事、52年前。昭和38年頃から空き家の増加は始まっていたのです。
具体的な例でとして、平成20年のデータを見てみましょう。空き家の総数が、757万戸。内訳として、売却用・賃貸住宅が全体の59.1%(448万戸)
となっており、約60%程度を占めています。このデータですが、現在でも、着々と増えており、総住宅数が総世帯数を上回る事態となっています。
では、なぜ空き家がそのまま増えてしまったのかというと、一番は、固定資産税の問題がありました。建物が立っている場合と、更地の場合では、
税金が大きく変わってしまい、売却できないような土地であれば、更地にしても買い手がつかず、解体にも多額の費用がかかる事から、そのまま
放置されたものが多くみられるようです。
目次
なぜ、空き家が増えてしまったのか。
こういった様々な要因もあり、空き家は年々増えています。空き家が増える事で、心配なのが火災といった問題や、古い建物の場合、倒壊の危険性もあります。そういった事態を重く受け止めた自治体や、民間団体などが、インターネットサイトなどを活用し、空き家バンクで空き家の情報の提供をしたり、土地の売却や賃貸などの相談をしたり、受け付けなどを実施しています。
こういった問題を詳しく掘り下げていて思ったのが、もう少し早い段階から、なんとか対応はできなかったのだろうか?と思ってしまいます。
そこで、民間の方が取り組んでいる情報や、空き家の有効的な活用方法などをいくつかご紹介していきたいと思います。
都市部からの移住者に対し、空き家を安く提供する
都会で暮らす人の中には、田舎暮らしに憧れる人も多いと聞きます。
北海道などを含め、ローカルな地域に移住し、農業などを営んだりしながら、のんびりと余生を過ごしたいという人も多いようで、そういった移住者に対し、ぜひ我が町へといった地域への呼びこみをがんばっている自治体なども、最近では、多く見かけます。
以前、メディアで取り上げられていた事例では、町などが空き家を借り上げ、移住者に対し安く提供していました。また、移住者が生活しやすいように農業、漁業や畜産業などへ就職支援をしたり、耕作放棄地などを貸し出したり、などして、移住後も安心して暮らせるバックアップを行っていました。
地域住民も、移住者が早くなじめるように、地域をあげてバックアップしており、農業未経験の移住者に、田畑の作り方や、作物の管理などを教える事で高齢者も生き甲斐ができて元気になり、移住者も地域とのコミュニュケーションが取れて、馴染みやすいといったいいケースも複数紹介されていました。
こういった事例の中に、いくつか若者の田舎移住も紹介されており、生まれた赤ん坊を、地域のみんなで育てるといった昔ながらの、育児の方法や、見守りといった、日本の原点回帰ともいえる事例も紹介されていました。人間関係が希薄といわれる現代ですが、子供をのびのびと育てたいという考えの若手にも、田舎の空き家の有効活用は、一役買っているのかなといった印象を受けました。
空き家を中古住宅として売却する
中古住宅として建物を売却する場合、立地がよくないとなかなか難しいとも聞きますよね。
新しい物件でなければ売れないかというと実は違っていて、古民家でも売却が可能だったりします。古民家などの場合ですと、引き家や、解体復元といった方法も可能なため、その地域以外に建物のみ売却したといった事例もあるようです。
酒蔵、蔵などは、レストランやカフェなどに再利用できるためこちらも解体せずに、売却できる可能性があります。
また、一般の家屋の場合、建物が比較的新しいものや、日本家屋などのしっかりとした造りの建物であれば、リノベーション住宅としての売却方法があります。
かつての日本では、欧米などでは一般的な中古住宅の購入も、避ける傾向にあったようですが、近年では、リノベーションが流行った事もあり、新築を建てるよりも安く、中古住宅を購入し、リノベーションして住むといったスタイルも一般的になりました。
リノベーションという方法も、徐々に進化しており、かつては、マンションのみだったものが、一戸建てでも可能になってきました。新築だと手が届かないけれど、中古をリノベーションすれば住めるといった若手世代も多く、中古市場も徐々に動きつつあるようです。
個人で、住宅の売却を考えた時、不動産屋などを頼る人も多いかも知れませんが、最近では、NPO法人や、公的機関などでも空き家の情報を管理しており、相談を受け付けたりしているので、そういったサイトなどへの掲載も考えてみるといいかも知れません。
愛着のある住まいですから、信頼のできる人に渡したいという人にとっては、相談できる窓口がいくつかありますというご紹介でした。
空き家を賃貸として貸し出す
実家であるとか、思い入れのある土地で、売却はしたくないけれど、空き家にしておくのはどうだろうという人もいらっしゃるかも知れませんね。
そういった場合は、賃貸として貸し出すという方法もあります。古い住宅だからそのままでは借り手がつかないという場合でも、リノベーションという方法もありますし、公的機関などを通じて借り手を探す場合であれば、古い事を承知して借りられる方も見つかるかも知れません。
また、賃貸で一番問題となるのが、家賃の滞納ですよね。できれば、信頼のできる相手に貸し出せればいいのですが、どこかを通すと中間の手数料が心配といった場合にも、NPOや公的機関が相談してみるといいかも知れません。
まったくの空き家にしてしまうと、全てが時分の持ち出しになってしまいますが、運よく借り手が見つかりさえすれば、税金の足しにできるかも知れません。今は情報化社会ですので、いろんな方法を模索してみると、一番いい方法が見つかるかも知れません。
空き家を更地にして土地として貸し出しする
建物をすべて壊してしまっていて、更地にした場合、土地として所有しているのであれば、立地にもよりますが、月極めの駐車場として貸し出す方法や、コンテナ倉庫として貸し出す方法、コインパーキングとして貸し出す方法や、賃貸アパートやマンションとして管理会社に貸し出す方法もあります。
こういった有効利用であれば、確実な収入につながるため、更地として、そのまま放置するよりも有効な活用方法になるのではないでしょうか。
最近では、自宅の駐車スペースを日中車がないので、日中のみ貸し出しを行ったり、車が自宅にないので、駐車スペースを貸し出したりする方法などがあります。
個人宅の駐車場の場合、車が駐車場に置いてある事で、防犯対策につながるといったメリットもあるようで、注目されている方法でもあります。
近隣にマンションなどが建った場合、駐車スペースが1台しかついていないことも多く、空き地を駐車場として貸し出す事で収入につながったという事例もあります。立地にかかわらず、有効利用することで、収入につながる事もあります。
空き家を活用して地域のコミュニュティの場として提供する
空き家の有効利用の方法も、本当に様々ですよね。
田舎の空き家の有効活用方法として、地域のコミュニュティスペースとして有効活用されている地域もあるそうです。
建物は、使わないとどうしても傷んでしまうので、リノベーションでバリアフリー化し、高齢者の憩いの場として提供されている方もいる様です。
カラオケの機械を置いて、みんなで歌を歌う場としたり、みんなで材料を持ち寄って、お菓子や料理を作ったり、手芸をしたりと、高齢者の生きがいの場として有効活用されているところもありました。
また、そういったコミュニュティスペースに参加されている方の中で、少し若い世代の方がいらっしゃれば、高齢者の方がコミュニュティスペースで手作りした作品や、お菓子などをインターネットで販売し、コミュニュティスペースの運営費用に充てているといった事例もありました。
こういったコミュニュティスペースのメリットは、とても大きくて、地域のお年よりがとても元気になって、笑顔が増えたり、楽しみがある事で
自宅にこもらず、外出する機会が増えたといった人や、お互いにその場に参加することで、不参加者の健康状態をお互いに気にするようになったりと、いろんな副産物も生まれている様です。空き家対策のひとつとして、お年寄りの活動の場としての有効利用に注目が集まっています。
空き家をリノベーションして気の合う仲間と起業する
以前、メディアや雑誌で紹介されていた事例を二つご紹介します。
ひとつめは、ご実家が空き家だったという主婦の方が、気の合うお友達と、自宅を改装し、カフェをオープンしたというものでした。
その方の場合、既に実家は、ご両親が他界されており、誰もそこに住んでいなかったという事で、建物が老朽化してしまっていました。
その建物を、骨組だけ残して、完全に自分たちでリノベーションし、カフェをオープンしたというお話でした。
少し山の中にあったという事でしたが、カフェができると、車でたくさんのお客さんが訪れていて、とても繁盛している様子でした。空き家の有効活用としては、とても有効的だなと思いました。
二つ目は、空き家だった実家を改装し、カフェとお花屋さんを開業するというものでした。
こちらも、気の合うお友達とリノベーションを行っていて、お互いにやりたかったお仕事を始められたということで、お互いにいい生き甲斐を見つけ、元気に活動的になられたそうです。どちらの事例もそうだったのですが、定年退職世代の方だったので、空き家の有効活用と同時に、生き甲斐も見つけられた事でとてもはつらつとしておられました。
空き家をコ・ワーキングスペースやファブ・ラボとして活用する
無償・有償がありますが、コ・ワーキングスペースやファブ・ラボとして空き家を有効活用する方法があります。
最近では、フリーランスで活動する人も増えており、自宅で仕事をしている人たちが集まって、情報交換や、情報を提供する場としても有効利用されています。
コ・ワーキングスペースであれば、カフェなどを併設して、ドリンクを飲みながら、仕事に関係する本を読みながら過ごすといった事もできますし、ドリンク代などの収入を運営費用に充てる事もできます。
また、コ・ワーキングスペースのスタイルにもよりますが、お互いに協力しあって、ひとつの会社を作ったり、ラボを使用したりすることで、一緒にファクトリーを作って商品を販売するなどといった形で有効活用されている人も増えているようです。
退職された世代の方が、空き家を有効活用して、ファクトリーを開設した例もあり、3Dプリンターの導入で、いろんな可能性も出てきています。
空き家をシェアハウスとして有効活用する
空き家の一軒家を、バリアフリー化して、高齢者シェアハウスとして活用するといった事例もあるそうです。
一人暮らしのお年寄りも増えていますし、一軒家でシェアハウス生活を送るといった共存型の空き家活用術もあります。
近年では、病院などの長期入院させてはくれませんし、核家族化で遠くに離れた子供たちは、いざという時に頼りにならない、介護施設は、高額過ぎて入れないといった高齢者にも、シェアハウスはメリットがあるのかも知れません。
住人同士で、バーベキューやカラオケといったコミュニュケーションを図る機会を作ることで、元気になったり、笑顔が増えたりといった事例もあるという事なので、一人で寂しく暮らしているお年寄りの方が、こういったシェアハウスを利用するという可能性も今後増えてくるのかも知れません。
空き家の有効利用方法のまとめ
これまで、いろんな空き家活用術を紹介してきましたが、みなさんいかがでしたでしょうか?
みなさんの近隣にも、何年も人が住んでいない空き家、ありませんか?
年々、増加傾向にある空き家問題。画期的な改善策が次々と生まれてくるといいなと思います。
ここで紹介したいろんな空き家の活用方法も、ほんの一部でしかありません。
実際は、使われていない空き家の方がかなり多いのではないかなと思います。
空き家が増えてしまうと、心無い人がゴミを捨てて行ったり、自然発火や放火による火災も心配ですよね。
ここで紹介したような、いろんな活用方法が、どんどん活かされて行って、空き家がいろんな形で有効利用されて行くといいなと思います。
数年前に、家族と山に山菜を取りに行ったのですが、そこの地域には、限界集落があり、子供が減った事で、学校が廃校になってしまっていて、残された子供たちは、片道3時間もかけて通学をしていると聞きました。
環境が不便になると、便利な場所に人が移動してしまって、残された家がまた空き家になるといった負のスパイラルもあるのかなと思いました。
残された廃校になった小学校はというと、蔦が絡まり、伸びた樹木が窓ガラスを割っていて、あと数年もすれば、自然に飲み込まれてしまうのではないかなと思います。
どんな建物でもそうですが、使用しないと、どんどん朽ちていってしまいます。まだ使える空き家であれば、早急に手を打って、みんなのコミュニュティスペースとして活用するなど、有効に利用されていくといいなと思います。
空き家という括りからは外れてしまうかも知れませんが、少子化の影響を受けて、廃校になった学校もたくさんありますよね。都内の小学校の跡地などでは、個人事業主に貸し事務所として教室を貸し出したり、レストランとして建物内を貸し出したり、パンの工場として貸し出したり、きのこなどの作物の栽培に貸し出したりと、有効に利用されているようです。
公共の建物ほど、自治体や公的な機関も積極的に動くので、有効利用されやすいかも知れませんが、これから益々増えていくと言われている、空き家問題と対策についてもぜひ、もっと真剣に、積極的に対応されて行くといいなと思います。
みなさんの地域にも、空き家がありませんか?
ぜひ、地域の集まり等で、有効に活用できる方法を模索していただけるといいなと思います。地元で最近、空き家を利用した歌声喫茶というものが始まりました。プロの歌唱指導の先生が、ボランティアでカラオケ指導をしてくださるという事で、お年寄りが元気に通っておられるようです。
また、他の地域では、地域住民のクラフトワークの場として空き家が有効利用されているようです。お年寄りの生きがいの場としても、空き家がどんどん活用されていくといいなと思います。
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