不仲になるケースも?生前整理の問題点と円満に導く方法とは?

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高齢の両親や親族が死去した場合、遺族として亡くなった両親がそれまで生活していた住環境を整理する作業が求められるケースが多く、非常に困難な作業となりがちです。こうした負担を軽減する目的で昨今注目されているのが生前整理ですが、ここにも両親との間に様々なトラブルが内在しているようです。

生前整理を通じてどのようなトラブルが挙げられるのでしょうか?具体的な原因や対策と共に確認してみましょう。

1.生前整理の難しさと様々な問題点

両親など親族が死去した後に身の回りの品物などを整理する死後整理ではなく、まだ存命中に必要なものや不要なものなど身近な物品の整理や処分法をあらかじめ行っておく生前整理という方法が注目されています。

ところが、いざ生前整理を行おうとした途端、両親など生前整理の対象となる方との間で意見の相違など、様々なトラブルが発生するケースが多く、こうした要因が以後の親子関係の悪化などを招くケースも多く、行動如何によっても様々な問題点が内在しています。

1-1.生前整理でありがちなトラブルの原因

生前整理を実行しようと思ったのにもかかわらず、両親との間で様々なトラブルが起こりがちですが、その理由は実に様々です。

中には、両親に幼少時代から受けた教育がトラブルの原因となるケースもあるなど、必ずしも意見相違だけがトラブルの要因ではない点も、この問題を更に困難なものへと至らせている根本的な原因となっています。

1-2.なかなかものが捨てられず整理できない

生前整理を行っている最中に最も頻発するトラブルの1つとなっているのが、ものが捨てられず整理が全く捗らないというケースです。

金品としての価値ではなく両親の思い出が詰まった大切な品物を安易に捨てることができず、結果的に整理が全く捗らないというものをはじめ、幼少期から両親に「物はできるだけ大事にし、使えるものは捨てないように」という教育を受けた人ほど、たとえ生前整理だと頭では理解していても、なかなか捨てるという行為自体が実行できず、結果的に全く整理が捗らず失敗に終わってしまったという場面も少なくなく、生前整理という行為自体をより困難なものへと致せる要素にもなっているようです。

1-3.親からダメ出しされ捨てられない

生前整理を子供など遺族となる側が率先して行おうとしているのにも関わらず、整理を受ける両親の側が捨てることを惜しみ「捨てて欲しくない!」とダメ出しをするケースもまた、生前整理という行為を難しくさせている要因の1つとなっています。

特に、両親の居室内や自宅内通路や床など至る所に物が散らばっていたりすると、子供側が「物に脚をひっかけて転んだら怪我するかも?という不安の下で整理しようとしたところ、両親側から「かたづけないで!」とけんか腰で怒鳴られる事もあり、結果的に親子げんかとなってしまったり整理自体が一向に進まないという結果になりかねません。

2.生前整理を成功に導くためには

両親など大切な親族が死去した後、生活環境に残された多くの物品を遺族側が整理するという行為は、様々な部分からも決して容易な作業ではなく、実際に完了させるまでには多くの労力を必要とするでしょう。

このため、両親のアドバイスや意見を受けつつ生前に必要な物品と不要な物品を仕分けし、処分を行う生前整理という方法は、死後残された遺族の負担を軽減する目的からも、今後率先して行われる事前作業の1つと位置づけられています。

この生前整理という作業を無難に成功へと導くためには、どのような点に注意し、どのような行動を率先するべきなのでしょうか?

2-1.生前整理のトラブルを未然に防ぐ方法

何かとトラブルに至りやすい生前整理を成功へと導くためには、生前整理を行う側と受ける側双方の意見を常に密な状態に保ちつつ、ゆとりある行動を実践するのが重要です。

特に、生前整理を行う側と受ける側では、整理の対象となる物品の内容にも違いがあるので、整理を行う遺族側が意志を実践した結果、捨てた・捨ててないという言い争いや捨てたことに対する両親からのクレームへと繋がるなど、双方の意見に少しでも食い違いが出た途端、トラブルへと至ってしまうようです。

こうしたいざこざを未然に防ぐためには、常に双方の意見を確認し尊重しつつ、その時々で適切な対応を行うのがポイントです。

2-2.「捨てられない」という親の気持ちを理解した行動を

生前整理では、両親がこれまで利用していた様々な家財道具や物品を、必要不要という2つの種別に分けつつ処分していく作業です。

このため、実際に処分する物品については、捨てられる両親から見れば「まだ必要」と感じていたり、何らかの思い入れからなかなか捨てられないという気持ちを持つのも珍しくありません。

一方、処分する物品に対して思い入れを持たない遺族側から見れば、直ちに生活に不可欠な物以外はできるだけスピーディに処分したいと思うのは当然のことです。結果、この考え方の違いから、言い争いとなったり親からのダメ出しへと繋がってしまいます。

これを未然に防ぐためには、親が持つ「捨てられない」という気持ちを遺族側がきちんと理解し、受け止める寛容さを持つことが重要です。特に、焦って作業を早く終わらそうとせず、ゆっくり長いスパンを切って焦らず対応するだけでも、「捨てられない」という親側の気持ちを少しずつ変化させられるでしょう。

2-3.捨てるのではなくまずは仕分け作業を

生前整理では、必要なものを残しつつ、不要なものは処分したり売却したりなど手放すのが一般的です。ところが、処分される親の側から見てみれば、まだ手元に置いておきたかったり捨てたくないという物が多いのも当然で、こうした気持ちを無視して強引に処分しようとしても、結果的に親とのケンカとなってしまい、後々後悔が残ってしまう可能性もあります。

このような哀しい結末へと至らないためにも、生前整理ではなく、まずはご両親と一緒に様々な物品の仕分け作業を行うというのも1つの手です。いきなり捨てるのではなく両親と会話しつつ一緒に仕分けすることで、本当に必要か不要かが把握できますし、仕分けによって住環境も整理できるので、両親の終活環境として安全に快適に暮らせる環境にできます。

まとめ

何かとトラブルが起こりやすい生前整理という作業自体は、遺族の負担を軽減する目的などからも決して不要な作業とはいえません。やり方を間違ってしまうと、大切な両親と不仲になってしまい後々で後悔してしまうケースもあります。

このような状況を防ぐためにも、両親と綿密な意思疎通や共同作業を行いながら、焦らずゆっくりと作業を進めてみてはいかがでしょうか。

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