空き家の管理に必要なこと3つ!

Pocket
LINEで送る

両親が亡くなった後、住んでいた空き家だけが残ってしまったのだが、すぐに引越をして住み出すわけにもいかないため、準備が整うまではキレイなまま保存しておきたいという事情を持つ人も多いと思います。とはいえ、家というものは人が住んでいないとすぐに荒れてしまうものです。カビが生えたり、ネズミが住み着いてしまったり、畳からコケが生えてしまったり、というように、定期的に手入れをしなければ、すぐに住めなくなってしまいます。

代行業者に依頼するとお金もかかってしまうため、個人で定期的に手入れをしようと思っているという人も多いのですが、そのやり方を間違えてしまうと、その手入れが何の意味もなくなってしまうこともあります。両親と過ごした思い出の家をキレイに保存しておくためにも、正しい手入れの方法を学んでおきましょう。

空き家を管理する前の注意点

さっそく空き家を管理するための方法を紹介していきたいところですが、その前に知っておかなければならないことが多くあります。本当に空き家を自分一人で管理するのか、というところも含めて、ここでは空き家管理のための心構えを紹介していきたいと思います。

空き家管理の手段を考える

 

空き家を管理する、とひとえに言っても、それはなかなか大変な作業です。キレイに保存しておいて、いつでも住めるような状態にしておきたいというのであれば、月に二回は手入れに出向かなければならなくなります。
例えば遠方に住んでいるような方であれば、隔週で手入れをするためだけに空き家に行くというのも大変な話です。そこでここでは、空き家を管理するための手段を紹介していきたいと思います。

親戚と協力して空き家を管理する

 

月に二回の手入れが難しいということであれば、親戚などと協力して空き家を管理するという方法もあります。
やはりこのようなことは一人でやり続けるのは難しいものです。
親戚や兄妹に協力してもらい、月に一度だけ手入れを行えば良いというような状態にしておいたほうが、簡単に空き家を管理することができます。

お金もかからないので一石二鳥です。

代行業者を利用する

 

空き家を管理してくれる業者は、インターネットで探せば多く見つかります。
月に一万円もかからない、という業者も多く存在するため、もしも交通費のほうがそちらより高くつくようであれば、業者にお願いしてしまったほうが安くつくという場合もあるのです。

どうしてもお金が気になるという方は、月に一回だけ代行業者にお願いするという方法もあります。
代行業者と自己管理を併用して、空き家を管理するという方法です。これならば月に二回お願いするよりも安くつきますし、代行業者がしっかりと管理を行っているかということをチェックすることもできます。

また、このような方法であれば、どうしても用があって行けないという日などに、代わりにやってもらうこともできます。代行業者を利用しておけば、様々なパターンに対応してもらえるので、一人で管理をするよりも、ぐっと楽になるのです。

空き家管理のために準備しておくもの

 

では、一人、もしくは代行業者と併用して空き家管理を行っていくという場合、どのようなものを準備しなければならないのでしょうか。以下にまとめておきます。

・ホウキとチリトリ
・雑巾
・バケツ
・軍手
・その地域指定のゴミ袋
・剪定用のノコギリやハサミ
・脚立
・室内用のシューズ
・畳やフローリング用のコロコロ

掃除機やスチームクリーナーといったものは使えれば便利ですが、電気がないため使用することはできないはずです。ただ、充電式であれば持っていって不便になるということはないでしょう。
今回紹介したものはあくまで一例であり、なかには必要のないものや、もっと必要なもの(汗を拭くためのタオルなど)もあるはずですので、そのようなものも忘れないように準備しておきましょう。

空き家管理のための掃除の方法

 

では、実際にキレイに空き家管理をするために、どのような掃除を行えば良いのでしょうか。
あまり過度にやり過ぎても月二回の手入れが面倒になってしまいますので、この程度までやっておけば充分というようなレベルの掃除を紹介していきます。

室内を掃除する

 

最初は室内の掃除からです。当然の話ですが、部屋数が多ければ多いほど掃除は大変になってきますので、時間は逆算しておくようにしましょう。

空気を入れ替える

 

まず到着して一番最初にやることは空気を入れ替えるために、全ての窓を開けることです。
これはカビが発生するのを防ぐための換気ですので、一時間ほどは行うようにしましょう。
開けっぱなしで帰ってしまうことを防ぐために、窓を開けた数は数えて置くようにしたほうが良いです。
トイレや浴槽の窓は当然ですが、靴箱や物置、押入れといった密閉された空間も開放しておきましょう。
そのような部分は特にカビが発生しやすい部分ですので、忘れないようにしてください。

たまに開けた拍子にゴキブリなどが出てくることもあります。脚立などを使う際には、驚いて転んだりしてしまわないように注意が必要です。冊子などは汚れであきにくくなっている場合がありますので、この際にも注意してください。

通水作業を行う

 

次は通水作業を行います。通水作業とは、水道管の中の水を入れ替えることによって、嫌な臭いや虫などが発生してしまうのを防ぐ作業のことです。
難しい作業のように聞こえるかもしれませんが、ただ蛇口をひねり、三分間ほど放水するだけで構いません。
家にある全ての水道で行ってください。

拭き掃除を行う

 

次は床の拭き掃除を行いましょう。必要であればバケツに水を汲んでおいてください。
空き家で拭き掃除をするとわかると思いますが、意外とホコリやコバエの死骸などが多くあります。
そのため、それを除去するような形の拭き掃除を行うようにしましょう。
コバエの死骸が多い場合は、最初にコロコロをかけてから行ったほうが良いです。

畳の上などもコバエの死骸などがある場合がありますので、キレイに拭き掃除を行いましょう。ただし、畳は拭いた後には乾燥させたほうが良いので、拭き掃除を行う場合は最初に行ったほうが良いです。

拭き掃除を行う際には、床板の盛り上がりや凹みがないかどうか、手すりが外れかけていないか、雨漏りのあとがないか、ということを確認しながら行うようにしてください。このようなものを見逃すと、大怪我を引き起こしてしまったり、修繕費用が高くついてしまったりすることがありますので、注意が必要です。

室外の掃除を行う

 

次は室外の掃除を行います。必要ないのであれば、この際には室内掃除のときに開けた扉を閉めてしまっても良いでしょう。あまり解放しっぱなしにしておくと、野良猫や虫などが入ってきてしまいます。
ただ、最後にもう一度中をチェックするのであれば、開けたままでも構いません。

剪定を行う

 

まずは庭木などの剪定を行うと良いでしょう。とはいってもそれほど大胆にする必要もなく、道路にはみ出しそうなものや、近所の敷地に入ってしまっている枝などを切る程度で良いです。
また、それほど短期間でのびるものではないので、剪定をせずに枝が伸びていないか確認するだけでも良いでしょう。

草抜きを行う

次に庭の雑草などを抜きましょう。夏場の場合はかなり重労働になるので、熱中症にならないように水分をこまめに取るようにしてください。
草抜きはそれほどキレイに行う必要もないでしょう。ツタなどが外壁にかかりそうであれば引き剥がしたり、背の高い草を抜くぐらいで構わないです。

草抜きが面倒だという場合は、除草剤などを撒くだけでもよいです。
特に庭が広い場合は、一日では終わらないこともあるはずですので、そちらのほうが手間がだいぶ省けます。
草抜きの際には、ハチやヘビなどに注意して作業を行ってください。

ハチの巣などを発見したら、すぐに駆除の業者に依頼するようにしましょう。
そのことで近所の方とトラブルになる可能性もあります。服装は夏場でも長袖長ズボンを着用したほうが安全です。

掃き掃除を行う

 

さて、次は掃き掃除です。掃き掃除は剪定や草抜きの後にやったほうが、その二つで出たゴミをまとめて処分できるため効率的です。玄関や家屋の周辺、近くの道路沿いにもゴミがあるようでしたら、ついでに掃除しておきましょう。これも、近所の方とのトラブルを防ぐためです。

また、掃き掃除の最中に、敷地内に大量の煙草の吸殻や花火の残骸などがあった場合、空き家であることを利用して、浮浪者や若者のたまり場になっている可能性があります。
そのような事態は家主の責任ではありませんが、近所の方からのクレームは、全て家主のところに届いてしまいます。そのため、早めに対処しておくようにしましょう。

誰かのたまり場になっている場合は、不法侵入ということになりますので、警察に相談したほうが良いです。自分で解決しようとすると、危険を伴うこともありますので、まずは警察に相談するようにしましょう。
パトロールの強化などの対応をされると思いますが、それでも改善が見られないような場合は、貼り紙などをすると効果がある場合もあります。

確認作業を行う

 

室内と室外の掃除が終わったら全て終わりというわけではありません。最後に確認作業を行う必要があります。これを怠ってしまったり、見逃してしまったりすると、後ほど大変な事態に発展してしまうこともありますので、空き家管理において確認作業というのは、かなり重要な作業になります。

気を抜かずに確認を行いましょう。

空き家の老朽化を確認する

 

人が住んでいないと、家というものはすぐに老朽化していくものです。そのため、月二回の手入れのたびに様々なポイントを点検しておく必要があります。では、家のどのような部分を重点的に、老朽化の確認を行うべきなのでしょうか。

雨漏りを確認

 

老朽化を確認するうえで雨漏りの確認というのは重要です。先にも少し触れましたが、室内の掃除をしているときなどに雨漏りの後を発見したら、すぐに修理をするようにしましょう。
そこからカビが大量に繁殖してしまったり、柱を腐らせてしまったりする可能性があります。
長い間放置しておくと、人が住めないような状態にまで荒れ果ててしまうことがあるので、注意が必要です。

雨漏りの確認は、床や天井などに水滴のあとがないか、目視で確認することになりますが、壁なども確認しておくようにしてください。天井の四隅から染み出てくるような雨漏りも、なかには存在します。

危険ですので無理をする必要はありませんが、外から空き家を眺めて、瓦などが飛ばされていないかということも確認しておいたほうがよいです。破片などが地面に落ちていたり、台風の後という場合には、より重点的に確認するようにしてください。

ベランダを確認する

 

ベランダを確認するということも重要なことです。老朽化によってベランダから何か物が落ちて、通行人などに怪我を負わせてしまった場合、その責任を問われることもあります。手すりなどを少しゆすってみて、問題がないかということは確認しておいてください。また、何か風にさらされて落ちてしまいそうなものがあったら、処分するか一階においておくというような対応をするようにしましょう。これも危険をなくすためです。

コンクリート塀を確認する

コンクリート塀のような塀がある場合は、そこも確認しておいたほうがよいです。
まれに、ブロックが崩れて通行人が怪我をしてしまうというようなことがあります。また、外観があまりにも汚いと、若者のたまり場にされてしまう可能性が高くなってしまいます。近所の方から、景観を損ねるというような苦情が入るという可能性もあるので、キレイな外観を保つということも意識しておかなければなりません。

雨どいを確認する

 

少し危険ですが、雨どいも確認しておいたほうがよいです。何か詰まっていたり、割れていたりすると、それが原因で雨漏りを引き起こしてしまうこともあります。ただ、安全が一番ですので、そこまで無理をして確認する必要はないでしょう。

防犯のための確認作業

 

防犯のためにも様々なことを確認しておかなければなりません。空き家ですので、何も盗られるものはないかもしれませんが、室内を荒らされてしまうこともあるため、注意しておきましょう。

玄関の鍵を確認する

 

これは、最初に空き家に訪れたときに確認するべきことですが、しっかりと鍵がかかったままであることを、最初に確認するようにしましょう。前回来たときに鍵をかけたはずなのに、ということが何回も続くようでしたら、侵入者を疑ったほうが良いです。すぐに警察に連絡しましょう。

また、鍵の差込口周辺などにこじ開けようとしたような傷がないかということも確認しておいたほうがよいです。窓ガラスが割れていればすぐに気付くと思いますが、証拠を残さず進入しようとした形跡があれば、不良グループなどがその空き家を、たまり場として使おうとしているという可能性もありますので、注意が必要です。

最後の鍵の確認

 

これは家を出る際の注意点ですが、絶対に閉めたという自信があっても、必ず最後にもう一度、全ての窓やドアを閉めたという確認はするようにしましょう。長期間、その家を空けるわけですから、未施錠の窓などがあると何が進入するかわかりません。特に窓などを開けっぱなしにしておくと、風雨によって室内がとんでもないことになってしまいます。必ず最後にもう一度確認するということは、心がけておくようにしてください。

上記以外の確認作業

 

上記で紹介したもの以外にも確認をしたほうが良いことがあります。絶対に必要というわけではありませんが、参考にしてみてください。

メーターの確認

 

通水作業を行った際に、蛇口の閉め忘れがないか、水漏れが発生しないか、ということを確認するために、水道のメーターを確認したほうが良いです。
トイレの給水などが行われていなければ、メーターは動いていないはずですので、時間があれば見ておきましょう。
また、同様の理由で、電気メーターも確認しておいたほうが良いです。そもそも契約をしていない場合は必要ないですが、エアコンなどをつけっぱなしにしたまま帰ってしまうと、とんでもない料金を請求されてしまうこともあります。

近所の人に確認とお願いをする

 

帰る際には、近所の人などに挨拶をするのも良いでしょう。できれば、何か手土産などを持っていったほうが良いです。挨拶に行く際には、空き家だということを伝え、何か異常があったら連絡してください、と名刺でも渡しておけば、防犯にもなりますし、侵入者にすぐに気付くこともできます。また、挨拶をしておけば、細かいことで苦情を言われることもないでしょう。毎回、そのようなことをする必要はありませんが、今後、その家に住むことを考えれば、年に二、三回は挨拶しておいたほうが良いです。

Pocket
LINEで送る

この投稿へのコメント

コメントはありません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

この投稿へのトラックバック

トラックバックはありません。

トラックバック URL