鍵が開けられない!シリンダー錠に起こりうるトラブルとその解消法

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鍵の側面部分に凹凸のキザキザが付いているタイプの鍵はシリンダー錠と呼ばれ、現在主流となっている最新の物よりもやや古いものに当たります。シリンダー錠をただ闇雲に使い続けていると、鍵を実際に開閉しようとした時に様々なトラブルに見舞われる可能性があるのですが、シリンダー錠にはどういったトラブルが発生しやすいのでしょうか?

各トラブルごとにその解消法と予防法についてチェックしていきましょう。

1.シリンダー錠に起こりうる様々なトラブル

ディンプル錠など最新型の鍵と比べると、従来までの主流として広く用いられてきたシリンダー錠には、様々なメリットと共に、実際に私用することによって被りうる様々なデメリットもあることを理解しておかなくてはいけません。

中でも、シリンダー錠に最も頻発するデメリットとなるのが、鍵の開閉が不可となってしまうケースです。本来、防犯目的で設置している扉を正しく開閉するために設置しているはずであった鍵ですが、鍵自身に発生したトラブルによって開閉さえできなくなってしまうと本末転倒と言わざるを得ません。

では、実際にシリンダー錠に起こりうる鍵のトラブルにはどういったものが該当するのでしょうか。トラブルについて掘り下げる前に、シリンダー錠の具体的な仕組みを詳しくチェックしてみましょう。

1-1.シリンダー錠の仕組み

シリンダー錠におこるトラブルに対し適切な対応や予防法を実践するためには、そもそもシリンダー錠という錠前自体の仕組みを正しく把握しておく必要があります。

シリンダー錠は、カギを挿入する内部に当たるプラグという空間内に上下に動く金属製のスプリングとピンが5本前後設置されており、正しいカギを挿入することによって、カギの側面に刻印された凹凸部分がこのスプリングに繋がれたピンに振れるように設計されています。

正しいカギに刻印された凹凸の形に正しくピンが接合することによって初めて、カギが解錠される仕組みです。このため、正しい凹凸を持ったカギ以外のカギをカギ穴に挿入しようとしても、形が合わずカギがそもそも挿入できないという結果に。そして、シリンダー錠に起こる様々なカギトラブルの原因の多くが、このピンとスプリング部分に起因しています。

1-2.なぜカギが入らないというトラブルが起こるの?

シリンダー錠のトラブルの中でも最も多いものの1つが、適切なカギを使っているのにもかかわらずカギ穴にカギが最後までしっかりと入らないというものです。

このトラブルが起こる原因は、大きく分けて2つ。1つは、カギ穴内部に異物が混入しており、その異物の影響でカギが正しく挿入できないケース。そして、もう1つの原因が、カギ穴内部の可動部に当たるスプリングとピンが何らかの理由によって可動せず固着してしまい、正しいカギを入れてもピン自体がストッパーとなってしまうというケースです。

開放しているカギ穴内部に砂埃や毛埃、虫など様々な遺物が混入しやすく、この遺物によってカギ穴が詰まったり内部のピンやスプリングに噛んでしまい動かなくなってしまった結果、カギが正しく挿入できないというトラブルの原因となります。

このほかにも、カギはほぼ全ての部品が金属製ですから、経年劣化などによってサビが浮く可能性も否定できません。サビがつくと途端に滑りが悪くなってしまい、これもカギがさせなくなる大きな要因に当たります。

2.日頃から実践しておきたいカギ穴メンテナンス

シリンダー錠のような単純な構造のカギの場合、様々なトラブルに見舞われやすい一方で、日頃から適切なメンテナンスを実践しておくだけで、これらのトラブルの発生を未然に防げたり、既に発生しているトラブルに対しても有効な解消法として用いることができます。

単純な構造のカギだからこそ、複雑な構造のカギと比べ比較的メンテナンス自体も容易に行えるものばかりですから、カギがあるのに扉が開かない!という最悪の状況を回避するためにも、めんどうくさがらずに日頃からメンテナンスを実践しておくのが肝要です。

2-1.各トラブルの概要と効果的なメンテナンス方法

未だ多くの住宅などで広く用いられているシリンダー錠には、日頃の使い方次第で様々なトラブルが発生する可能性があることをご紹介しました。では、実際にはどういった状況でどのようなトラブルが起こりやすく、またそのトラブルを解消するためにはどのようなメンテナンスを日頃から実践しておく必要があるのでしょうか?

様々なトラブルの中で最も起こりやすい「カギが抜けなくなってしまった」というケースについてチェックしてみましょう。

2-2.トラブル1.鍵穴に刺した鍵が抜けなくなってしまった!

シリンダー錠を自宅や倉庫の扉の鍵として用いている時に最も起こりやすいトラブルの1つがこれです。

扉に設置しているシリンダー錠のカギ穴に対し、適切なカギを挿入して開けようとしているのにもかかわらず、カギが奥まで差し込めず解錠あるいは施錠を行う事ができなかったという状況を一度でも経験されたことがある方は、意外に多いのではないでしょうか?

こういったトラブルの多くは、前述したとおり、カギ穴内部全体に異物が混入したり、ピンやスプリング内部にホコリなど微細な異物が混入することによって起こります。この解消法としてはカギ内部に異物が堆積しないよう汚れを除去するのが効果的で、その方法として、掃除機のノズル先端をカギ穴に密着させるように押しつけながら吸引する方法が有効です。

カギ自体に付着した異物がトラブルの原因となるケースが多く、その中でも最たるものが、潤滑油などの油脂です。潤滑スプレーなどをカギに付着させることをメンテナンスの1つとして実践する方が多いですが、実は潤滑の為に施しているこの油自体が、劣化すると堅くなりシリンダー内部に固着してトラブルを引き起こす要因となるので、絶対にカギやカギ穴に油を挿してはいけません。

様々なトラブルを未然に防ぐため、日頃からカギを清潔な状態に保ったり、カギ表面に鉛筆の芯を粉状にしたものを付着させたり、カギ穴内部にストローなどを使ってこの粉をふきつけることで、粉自体がボールベアリングの役割を果たしてくれるので、カギの汚れ付着と潤滑剤の役割を担ってくれる方法としておすすめです。

まとめ

生活に身近なシリンダー錠にも、様々な原因を通じてトラブルが発生することをご紹介しました。

いずれのトラブルも、正しくカギを使っているつもりでも起こりやすかったり、本来、カギに対して良いと思われる行為が逆効果だったりするなど勘違いから生まれるものもあるので、シリンダー錠の仕組みを正しく理解すると共に、日頃から適切なメンテナンスを実践するようにしましょう。

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