いつまで住める?マンションの本当の寿命は?
マンションを購入数する際に気になるのが、いつまで住み続けられるかです。中でも中古物件を購入するのであれば、購入してすぐに寿命が来るという最悪の自体を避ける必要があります。
一般的な鉄筋コンクリート(RC)造のマンションは寿命が37年といわれており、物件を選ぶ際の重要な参考情報となっています。しかし、実際はそれ以上に長持ちしているマンションも多く、メンテナンスの仕方次第で寿命が大きく延びることもわかっているのです。
目次
1. マンションの本当の寿命は何年?
マンションの寿命はおおよそ37年となっていますが、これは2002年に国土交通省が立て替えまでの期間の平均値をまとめた結果出たものです。しかし、実際はこれよりも長持ちしている物件は多く、実態とは若干のずれがあるのです。
1-1.コンクリートの劣化が寿命を作る
マンションに寿命が存在するのは、マンションの主な素材であるコンクリートが劣化するためです。コンクリートは年月がたつと少しずつ炭酸ガスを吸収して中性化し、水や空気が進入しやすくなります。水や空気が進入すると、熱で温められた際に膨張し、コンクリートを壊すことで劣化を進めてしまいます。ヒビなどが入ればさらに劣化が早まり、建物が損壊する恐れが高まるのです。
構造がもろくなれば耐震性が弱くなるなど様々な悪影響が起きるため、早めに建て替えなどが検討されるケースが多いのです。
1-2.商業的な理由も存在する
コンクリートの劣化は構造以外にもダメージを与えます。例えば壁にひびが入るようになれば、建物としての価値が落ちてしまいます。そのため、入居者が集まらなくなってしまったり、退去者が出る原因になるのです。
マンションによっては、商業的な理由で建て替えを行う場合もあります。構造自体を見直し、新しい物件に更新して売り出した方が商業的な利益が高くなることがありえるからです。平均値はあくまで平均値であり、寿命以外の理由が原因で更改が早まることがある点に注意が必要です。
実際に70年程度使われていたマンションも存在し、長いものでは80年というケースもあるのです。
2.劣化を防いでマンションを長持ちさせる
早いサイクルでマンションも建て替える場合がある一方で、長持ちさせて住み続ける人もいます。これは劣化を防ぐための工夫をしていることが多いためで、現在は少しでも長く住むための工夫をすることが主流になりつつあるのです。
2-1.鉄筋の張り替えやモルタルの補修がポイント
コンクリートは劣化していくものですが、劣化を防ぐための補修は可能となっています。コンクリート自体の劣化と合わせて覚えておきたいのが、鉄筋も劣化していくことです。そのため、鉄筋を張り替えや、モルタルを補修することを前提に資金をプールしておき、マンションの管理組合などが補修を主導するケースも多いのです。
コンクリートなどの素材や施工技術の進化により、マンション劣化は進みづらくなっています。新しい技術を使って補修をするなど、より寿命を延ばすための工夫が可能になっているのです。
2-2.スケルトンインフィルを選ぶ方法も
スケルトンインフィルとは、メンテナンス性を高めるために、建物と内装を分離してそれぞれに施工する工法です。柱や床などの構造部分は一般的に非常に寿命が長いものの、水周りなどの内装を一緒にしてしまうとそれだけ劣化が進んでしまう可能性があります。構造が弱る前に内装が弱ってしまい、部屋自体の工事を一からやらなければならなくなることが多かったのです。
スケルトンインフィルの場合は構造部分と内装が独立しているため、内装のみを補修することも容易になっています。建物を傷つけることなくリフォームが出来る感覚でいるとわかりやすく、それだけ建物の寿命を延ばしやすくなるのです。
3.優良な中古物件を買うためのポイント
寿命を延ばす方法があっても、適切な管理が行われなければ宝の持ち腐れになっています。中古マンション購入時には管理がしっかり行われているのかチェックする癖をつけることが大切です。
3-1.修繕計画と管理実績をチェック
優良な中古マンションを購入する場合にしっかり見たいのが、耐震性と管理会社の修繕計画です。耐震性が低ければ耐震工事などを入れる必要が出てくる場合や、万が一の際の不安が大きくなってしまいます。また、修繕計画が定期的に行われているのか、過去に計画通りに実施されてきたかはしっかりチェックしたいポイントです。
建物の古いのに修繕計画がほとんどなければ、かなり見積もりや見通しが甘いということになります。管理実績なども確認した方が良く、定期的な点検が行われていないようであれば真っ先に候補から外れます。
逆に、定期点検や補修の情報がしっかりと記録されていれば、築年数は古くともかなり長持ちする可能性も出てきます。マンション自体が新しくても管理がずさんではマイナスになってしまうため、管理体制を厳しい目で見ることは基本なのです。
3-2.耐震基準が見直された物件から選ぶ
建築基準法は時代に合わせて変化しており、耐震性の基準も大きく変わっています。中でも影響が大きかったのが、新耐震設計基準です。1981年6月1日以降に建築確認申請が出ているものは全て新らしい耐震設計基準が適用されており、耐震性も高くなります。注意したいのは、竣工日ではなく、建築確認申請日を基準にする必要がある点です。竣工日を基準にしてしまうと、新しい耐震基準より以前の基準で施工されている可能性が高く、危険性が高まるからです。
この耐震基準の違いによって、物件の価値が大きく変わることもあります。あまり安すぎる物件に出会った場合は耐震基準なども疑った方が良く、念のための確認が必要なのです。確認漏れがあっても自己責任になってしまうため、漏れがないようにすることが大切です。
さいごに
般的な鉄筋構造のマンションは37年が寿命といわれていますが、様々な事情で早めに取り壊されてしまうことがあります。コンクリートの劣化を防げばそれ以上に長持ちするケースは多く、適切な管理が行き届いた中古マンションを選ぶことがお得に長く住むコツになっているのです。
管理体制の念入りなチェックを行いながら、築年数と管理の行き届き具合のバランスをとることがポイントと言えます。
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